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NVME SSDが搭載できるエンクロージャーケース(以降、ケース)Argon ONE V3(以降、one V3)を手に入れました。Pi 5用です。Pi 4の頃にオススメされて使ったところ、一番シックリするケースでした。

今回もいつ手に入るか待っていたのですが、初期販売分が瞬殺して、しばらく再販されていなかったようです。海外ショップのお話です。国内ではまだ見かけていません。(記事執筆時点)

人気で売り切れが続いていたのもありますが、どうやら電源周りに不具合があるのか、私もかなりハマりました。

正直、もうボードが壊れているのではないかと疑うレベルです。動作はしましたが、まだ納得していません。

その辺も踏まえて、トラブル回避に役立てばと思いレビューとがてら触れておきます。

電源が入らないトラブル

動作している今でも結局はよく分かりません。組み上げても電源が入らない状態でした。丸々1日費やして動作検証する羽目になりました。

結論として電源が入るようになりましたが、どこが悪かったのか正確には答えられませんね。

私の結論は、USBーCコネクタの接触不良という気がしてなりません。このドーターボードだったり、GPIO経由の制御などに疑問が残ります。

Argonのフォーラムを読み込んだ

とにかくone V3のトピックは全て読みました。ケースバイケースが多いため、コレっというのは見つかりません。トラブル解決の前に、先ずは正しい状態へ持っていかないと検証できません。

Argon 40 Forum & Community

電源が入らない時の挙動は、LEDの赤が1回だけ点灯する状態でした。その後、赤が点滅するだけの時もあり、条件がわかりません。

LEDの緑は点灯すらしないため、読み込みには行っていないハズ。microSDカードが壊れていればどうだったか覚えていないけど、恐らく電圧が足りない??

しかし、電源アダプターは5V5Aのものでケースに収めずPi 5単体では起動します。

決め手はありません。とりあえず、起動するまでやったことを思い出して挙げてみます。

やったことその1

先ず、ケースから全て取り外し再度組み上げました。差し込みがおかしいかも知れないと思ったからです。

特に電源とmicroHDMIで繋げるドーターボードが最大に怪しいと思った。

接続はカチっと音がするまで

特にUSB-Cコネクタがカチッと音がするまで差し込むことが大事です。もしかしたら、ここが微妙に緩かったのかも知れない。今のところ、この可能性が最も高いと思われました。

やったことその2

NVMe接続の前に、one V3ケースの上半分だけで起動しないとおかしいですよね。NVMe側には接続せずに試しました。

microSDカードにRaspberry Pi OSを入れて起動させるテストです。

やったことその3

これは関係ないかも知れないですけど、電源のジャンパピンがあります。デフォルトだと1と2をショートさせ、常にONは2と3のショートです。ちなみにピンを接続しなくてもデフォルト設定です。

これはこのケースが電源ボタンはPi 5のものを使用せず、GPIOを通して裏側の電源ボタンの利用にしているためです。

これをAlway ONの2-3に設定しました。

結果的にダメだったため、元に戻しました。

やったことその4

どこかで電源が入らない時、電源アダプターのUSBコネクタを抜き差しして再度電源ボタン(裏側)を押したら起動したとあった(どこで読んだか忘れました)。

確かに、それで起動したんですよ。

意味が分からない。

起動した後

結果として、再度組み上げるのを3回くらいやったでしょうか。GPIOコネクタと電源コネクタ(画像の左下6ピン)も丁寧に確認しながら進めました。

すると、上半分でmicroSDカード起動はできるようになりました。もちろん、電源ボタンは1回押すだけです。

動いている今から想像するに、接触なのかな?

Pi 5もmicroSDカードもドーターボード類も完全に故障というわけではないことが確認できました。

唯一、電源アダプターだけは交換していませんから、もしかしたら他の5V5Aかつ27W出力ならば、それだけの問題だったのか確証はありません。

結果的に電源アダプターもそのままで起動して使えています。

NVMeの接続と起動のための設定

やっとmicroSDカードで起動できるようになったので、次はいよいよNVMeも接続して組み上げていきます。

同メーカーArgon NEO5でも同じように、microSDカードで起動してからrpi-eeprom-configで起動順を変えてあげると共に、必要な設定を追記していきます。

Argonでは専用のスクリプトがあるため、基本はそれをダウンロード&実行すれば追記されます。

最後に、NVMeに接続したSSDドライブが認識されていれば、Raspberry Pi OSに標準インストールされている「SDカードコピアー」でmicroSDカード内のRaspberry Pi OSをNVMe接続のSSDドライブへコピーします。

起動順序を変更する追記もされているので、microSDカードさえ抜いてあればNVMe接続側から起動します。

この辺は次の記事を参考にしてください。

起動しなかったことで考えられるのは、やはり組み上げる際の接触不良なのか、うまく通電していなかった気がします。但し、決め手に欠けます。

外観

ここからは本来の製品レビューです。

大きさは前作Pi 4用のone V2とほぼ変わりません。僅かにone V3の方が大きいのかな。

背面にあったUSBで繋ぐアダプターがない分、USB3.0ポートが2つ使える点と、出っ張りが無いのはスッキリします。

3.5mmジャックは別売りのDACボードを取り付けないと使えません。Pi5からは省かれましたからね。

コネクタ類の位置こそ異なりますが、概ね前作同様の造形です。画像はありませんが、上部蓋が三角に取り外せてGPIO端子へアクセスできるのも変わりません。

■Pi 5は8GBモデルがオススメ

機能

冷却ファンが付いている点も前作同様です。唯一、DACボードが別売りで、3.5mmポートを使うには必要となります。

底面にSSDドライブを収納するのは変わりませんが、裏側からアクセスできるため、ケースをバラす必要はなくなりました。これはNEO5も同様です。

底面のSSDドライブを収める部分は放熱性の金属が使われ、底面のそれ以外はプラスティックになっています。上部は金属製です。one V2でも放熱性は高く、冷却性能も優れていました。今回も同様です。

one V3もスクリプトファイルが2つ用意されています。1つはNVMeで必要になる設定を追記でき、もう1つは冷却ファンの制御をおこなえるシェルスクリプトです。

赤外線IRも搭載され、別売りのリモコンで操作も可能です。

one V3のファームウェア更新

ハードウェアテストとone V3のファームウェアを更新できるUSB-Cコネクタがあります。取扱説明書の最後に記載されています。これはone V2にはありませんでした。

取扱説明書

付属品

付属品はNEO 5と全く同じでした。余るのもコネクタカバーとPCIeケーブル1本です。

機能面で説明したスクリプトファイルは、one V3には前作同様に冷却ファン制御スクリプトがあります。逆にNEO 5にはありません。

組み立て時の注意点

電源が入らないといったトラブルに見舞われたので、本来は注意するであろうNVMeの接続に使うフラットケーブルの取り付けが簡単に思えてしまいました。断線しやすいのでそれなりに気を遣う方が良いでしょう。ピンセットがあると楽です。

前半でも書いたように、USB-C、microHDMi端子を繋ぐドーターボードが最も注意が必要かも知れません。

トラブル前の画像。僅かに差し込みが甘い?

USB-C部分が「カチッ」と音がするまで丁寧に押し込む必要があります。画像はトラブル前ですから、差し込みが数ミリ緩い状態です。

本当にカチっと音がするので、水平に慎重に押し込んでトラブルを避けてください。

どこかで金属同士が触れてショートしているのではないかと疑うレベルでしたから、組み立ては何度か試した方が良いかも知れません。GPIO端子や電源(に使う)端子を曲げたりしないようにも気を付けましょう。

あと、何気に上部パーツにある赤外線IRの突起が邪魔で干渉しますから、取り付ける際はちょっと気を付けましょう。

底面のSSDドライブの取り付けは、NEO5同様にそれほど気に掛けなくても大丈夫でしょう。

写真はNEO5ケース

価格

今回のケースも手に入れるのに現時点では限られます。

Argonの公式サイト、またはUKショップから購入する場合、送料と円安の影響で割高に感じますね。

Argon公式サイト円表記で7,700円+送料
The PiHut£38.33+送料
Pimoroni取扱なし
Amazon2024/04時点でなし

販売金額の目安

送料は総重量によっても変わることもあり一概には言えません。UKだと2,200円かかる・・・。

本体と同じくらいの価格になってしまうため、コスパが良いとは言えません。

総評

Argon ONE V3 M.2 NVME PCIE Case

Argon one V3 M.2 NMVe

総合評価

( 3.5 )

メリット

  • 高い冷却性能
  • 通常サイズHDMI端子&裏側に端子がまとまる
  • GPIO端子へアクセス可能
  • 別売りのリモコン、別売りのDACボードがある

デメリット

  • 価格が高い
  • 不具合が多い
  • 組み上げるのに苦労する

ちょっとオススメできないですね。冷却性能や使い勝手はone V2と同等なだけに残念です。

不具合に合う可能性と販売価格が高価で、しかも現時点では購入先が限定されていることから気軽に買える製品ではありません。同メーカーのNEO5も手に入りにくいとはいえ、僅かに安いため逆の評価になります。

NEO5と決定的に違うのは、冷却ファンの制御と電源ボタンをPi 5をそのままを使っている点です。

本来のケース部分のみにフォーカスしているため不具合はありません。どちらかというとRaspberry Pi側の問題になります。

一方のArgon one V3は、Pi 4の時同様の作りになっていて、冷却ファンの制御と電源ボタンがあるメリットが吹き飛んでいます。Pi 5側に機能が付いてしまったからもう必要ないんですよね。

背面にケーブルを集約させるメリットは残りますけど、その分だけ価格が上がっているため、どうなんでしょう。プラマイゼロな感じです。

構成上、部品点数も多くなり高価になってしまったのも本末転倒です。

ただ、使い勝手や冷却性能は相変わらず良いのです。赤外線IRも点いていますし、別売りのDACボードを接続すれば、Pi 5で省かれた3.5mmジャックも復活させられるメリットがあるのは評価できます。

独自スクリプトの弊害に注目しましたが、逆に独自スクリプトなら他のOSでもカスタマイズできるメリットもあります。現にLibreELEC用も有志によってカスマイズ修正の記述もありました。(https://forum.argon40.com/t/argon-one-v3-power-button-and-fan-scripts-issue/2276

いずれにしても、初めてのArgon製としてはオススメができませんね。Raspberry Pi 4用ならオススメできます。

Pi 4用Argon one V2

最後に、こちらもRaspberry Pi OSでの利用が基本です。特にドーターボードや独自の機能がありますから、他のOSではすべて機能しないパターンに陥る確率が高まりますから注意してください。