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Raspberry Pi(ラズパイ)の新しいモデルとして、Raspberry Pi 400」というキーボードとRaspberry Pi 4の性能が一体化したモデルの発表がありました。

簡単に言えば、Raspberry Pi 4Bとほぼ同じ性能で、それを既存の公式キーボード内に納めた筐体です。気をつけたいのは、既存のRaspberry Pi 4Bを入れた物ではありません。基板としての形も異なります。

Raspberry Pi 400は、オールインワンで教育用途に使える製品と考えるのが妥当で、単純なRaspberry Pi 4の後継機種ではありません。

どんな違いがあるのか、なんでこの形式なのか、を考えてみました。

Raspberry Pi 400のスペック

どうしても新製品が出ると気になるスペックからです。

CPUが少し速度アップの1.8GHzに変更されています。他は概ねRaspberry Pi 4Bに準じた性能で、筐体ともなるキーボード型のためか、一部コネクタ類は省かれています。

Raspberry Pi 400Raspberry Pi 4
CPUBroadcom BCM2711 クアッドコア Cortex-A72(ARM v8) 64-bit SoC @ 1.8GHzBroadcom BCM2711 クアッドコアCortex-A72(ARM v8) 64-bit SoC @ 1.5GHz
メモリー現在4GBのみ発表 LPDDR4-3200 SDRAM2GB/4GB/8GB LPDDR4-3200 SDRAM
通信/コネクターwireless LAN (2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac) Bluetooth 5.0, BLE Gigabit Ethernet 2 × USB 3.0 and 1 × USB 2.0 portswireless LAN (2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac) Bluetooth 5.0, BLE Gigabit Ethernet 2 × USB 3.0 and 2 × USB 2.0 ports
GPIO水平40ピンGPIOヘッダー40ピンGPIOヘッダー
ビデオ/サウンド2 × micro HDMI ports (4Kp60サポート)同じ
マルチメディアH.265 (4Kp60 decode) H.264 (1080p60 decode, 1080p30 encode) OpenGL ES 3.0 graphics同じ
記録媒体microSDカード同じ
USB電源USB-Cコネクタ(5V)同じ
その他Raspberry Pi 4BにあるCSIカメラポート、 DSIディスプレイポート、 3.5mmジャックアナログポートは搭載しない・MIPIDSIディスプレイポート ・MIPICSIカメラポート ・4極ステレオオーディオおよびコンポジットビデオポート

キーボード上面コネクター部分

実は地味にCPUのクロック周波数が上がっているのは有り難いことで、これまでRaspberry Pi 4をオーバークロック(OC)して快適に動作させていた各種LinuxOSやソフトウェアなどが、デフォルトでも快適になるからです。

現行のRaspberry Pi 4Bが1.5GHzですから、数値的には僅かにはなりますが、Raspberry Pi 3B+がその前の3Bからアップした時以上に高速に感じるかも知れません。

ベンチマークテストによると、Raspberry Pi 400は、Raspberry Pi 4Bよりも約18%高速になったとのことです。

3B:1.2GHz → 3B+:1.4GHz 4B:1.5GHz → 1.8GHz

もちろん、CPUのリビジョンなども変更になっています。

3B:BCM2837 3B+:BCM2837B0 4B:BCM2711 400:BCM2711C0T

これらの高速化は、ネットワーク経由で大きなファイルを高速USB 3.0ドライブにコピーする場合などで性能を実感できるようです。

これまでに発売した各国言語のキーボードはこの布石だった

ケースも兼ねるキーボードは78キーまたは79キーのコンパクトキーボードです。(国別による)日本語も用意されます。既に公式キーボードが販売されているため、その言語別分は順次、販売される予定です。

Wi-Fi機能のため、これまで同様に技適の取得に時間がかかり、日本語(キーボード版)は2021年春頃と報道されていました。

CPUを涼しく保つためのデザイン

画像引用:公式サイト商品ページ

製品ページではコンピュータを涼しく保つために配慮したデザインであると明記されています。

Raspberry Pi 400 incorporates a purpose-built board based on Raspberry Pi 4. Featuring the same powerful processor, Raspberry Pi 400 has specially designed thermals to keep your computer cool and silent while you’re hard at work.

引用元:https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-400/?resellerType=home

ジェフ・ゲーリング氏の分解レビューで詳しく分かりました。

ジェフ・ゲーリング氏のブログより引用

天板が薄い金属のようです。剛性は確保されています。恐らく公式キーボードと異なり、比較的にペコペコはしないでしょう。

この金属板自体がヒートシンクの役割を担うようで、且つイーサネット付近に熱伝導のパッドも装備されているようです。

思ったよりも熱に対して過敏に考えなくても良いのかも知れません。

■Pi 5は8GBモデルがオススメ

性能としてどうだろう?

Raspberry Pi OS はDebianという老舗のLinuxディストリビューションから作られています。これはよく言えば安定している、悪く言えば古くさい、と昔から言われていました。

需要はともかく、教育に活用する場合は確かにオールインワンで且つ価格が安いというのは、途上国まで視野に入れると考えれば意味があると想います。基本は同じような理念であったUbuntuにも通じるところがあります。

Ubuntuも途上国を強く意識していたOSです。Ubuntuはソフトウェアで、Raspberry Piがハードウェアとして同じような立場になるのでしょうか。

貧富の差なく広くコンピューターを使いやすくなる環境は確かに必要ですし、とても素晴らしいことです。そういうことから、このキーボード一体型というのはコストを低く抑える妥協点でしょう。

代表のEben Upton氏もHDMIが通常のコネクタではないのはトレードオフだとツイートしている点からも伺えます。

https://twitter.com/EbenUpton/status/1323301534545924099

オールインワン

最期に、オールインワンの名の通り、単体とは別にキットが発売されます。

Raspberry Pi400単体の他に、公式USB-C電源、公式マウス、公式microHDMIケーブル(1m)、公式ビギナーズガイドブック、そしてmicroSDカードはSanDisk製の16GBで、中にはNOOBSがインストールされています。

モニターさえあれば、Raspberry Pi OSがすぐに使えるフルセットになっています。

大人も子供も誰でも簡単に、それなりの実用性の性能を持ったコンピューターを、比較的安価に手に入れられるという意味では、このRaspberry Pi 400が一つの完成形に思いました。

販売価格

Raspberry Pi 400 単体 70ドル Raspberry Pi 400 キット 100ドル

日本での実勢販売価格はまだ分かりません。 代理店KSYの価格は単品で8,750円(税抜)、キットで12,500円(税抜)、いずれも2021年春頃の発売予定とアナウンスされています。


遅まきながら、Raspberry Pi 400のリリース発表でした。この後も情報を追っかけたいと思います。